ピーリングとは?
ピーリングとは、皮膚表面の古い角質を擦り取り、表皮細胞の新陳代謝を促すピーリング剤などにより
古い角質を削りゴワゴワ肌やくすみ肌、毛穴の黒ずみなど肌の悩みを改善し、肌本来の新しい角質に取り戻すことを意味します。
通常は肌の新陳代謝であるターンオーバーは、28日周期でおこなわれ、新しいものに変わっていきますが
皮膚が老化すると,様々な原因でターンオーバーがうまく行われず、古いものが長く皮膚表面に残ってしまいます。
この状態になってしまうと肌は、色がくすみがちとなってしまいみずみずしさを失ってしまいます。
また角質が毛穴を覆うとニキビができやすくなるので、予防を目的としてピーリングが行われます。
ピーリング剤には、アーモンド、クルミなど植物の種子の殻を細かく砕いたものや、
合成樹脂を洗顔クリームやクレンジングクリームなどに混ぜたスクラブや、角質分解酵素入りの洗顔剤、パック剤があります。
日本では、米ぬかを使って身体を洗う習慣がありますが、これも一種のピーリングといえます。
ひじやかかとなど角質が比較的厚い部分ならそれほど心配ないですが、顔にこれらのピーリング剤を使用するときは週1回程度を基準とし、こすり過ぎて肌を傷めないように注意する必要があります。
ピーリングの歴史
ピーリング が日本に入ってきたのは1990年前後で、
ピーリング の歴史はじつはとても古く、4000年以上前のエジプト文明にての民間医療として行われており
あの有名なクレオパトラはサワーミルク湯に入っていたと伝えられており、中世フランスのルイ14世が古いワインを皮膚に塗っていたという説もあり、これらの【サワーミルク湯】には(乳酸)や【ワイン】に含まれている(酒石酸)を利用したのもピーリングとして行なっていたのが始まりになります。
そして、日本に置き換えたとき冬ににユズやミカンをお風呂に入れる習慣があるのも一種のピーリング言えるのではという説もあります。
医療的には1882年にドイツの皮膚科医が【サリチル酸、レゾノール、フェノール】を使用して行なったのが初めてと言われており、
1903年にはイギリスの皮膚科医がニキビ瘢痕(傷が治った後に皮膚面に残るあと)にフェノールを使い、
それから、治療を目的として行ったピーリングは、第一次世界対戦中(1939年)に火薬による顔のやけど治療にフェノールを使用したところ、皮膚再生を早めることができたことが有名になりました。そして1960年には形成外科がフェノール酸によるピーリングを皮膚の若返り治療として確立されました。
しかし、フェノールを使用した深層のピーリングは、黄色人種に使用してしまうと色素沈着や瘢痕形成が現れてしまい
アメリカではブームがきましたが、日本では定着しませんでした。
もともとは、欧米で主流だったピーリングはフェノール酸を使用したものですが、美容効果が高いものの浸透性も深く、
それによる副作用が問題となっていたこともあり、日本では積極的に行うところはなかったと言われております。
1974年ごろヴァンスコット博士は、グリコール酸(AHA=アルファヒドロキシ酸)を用いた浅層のピーリングの研究を始め、
このグリコール酸を使用したピーリングは副作用も少なく安全と見なされ日本でも注目を浴びるようになりました。
1994年には、AHAピーリングの輸入許可が厚生省より下され、日本でもブームが来て
2001年には日本皮膚科学会より【ケミカルピーリングガイドライン2001】が公表されました。
ピーリングの目的
英語のpeel(剥す)の通り、肌トラブルのもととなる古い余分な角質やくすみを取り除き、肌本来の機能をサポートするピーリングは、
年齢を重ねた方の肌トラブルにも対応するエイジングケアを目的とした美容法です。
ケミカルピーリングの効果
ケミカルピーリングって、お肌の表面がツルツルになるとかニキビにいいくらいの認識しかなかったけど、
・しみや小じわなどが生じた古い皮膚表面を取り除く
・しみや小じわのない理想的な新しい皮膚表面が再生される
と、シミやシワにも良かったんですね~!
それに、効果は肌表皮だけでなく、
「角質を取り除くことで、様々なシグナルが皮膚深層に向けて発せられる」のだそう。
• 表皮(皮膚の浅い層)の細胞活性化
• 表皮の代謝促進・正常化
• メラニン色素抑制
• 真皮(皮膚の深い層)でコラーゲン生成
• 角質除去・皮脂分泌抑制
• 保湿効果
• 皮膚のバリア機能が一時的に弱まるので、基礎化粧品などの有効成分の浸透が高まる
など、しみ・くすみ・小じわ・はり・ニキビ・脂性肌・毛穴など幅広い症状の改善が期待できる
~ミルクピール~
ミルクピール(Milk Peel Treatment)は、フランス製の薬剤で3種類のピーリング剤(乳酸、グリコール酸、サリチル酸)が絶妙な配合で調剤された最新のケミカルピーリングです。
フランスでは別名「パーティ前 ピーリング」と呼ばれています。その日にパーティがあって、どうも化粧ノリや肌艶(つや)が悪い時でも、瞬時にそのお悩みを解決してくれるので、そのように呼ばれているようです。
ミルクピールは医療機関での治療専用の製品となります。(効果が高い分リスクも高くなるため、医療機関でしか行えません)
従来の単剤によるケミカルピーリング治療法は、効果が出る濃度の治療では
施術後の強い赤みや皮むけ、かさぶたや色素沈着などが問題になることが多く、
それにより美容医療においてケミカルピーリングが普及することは難しかったのです。
ですが、ミルクピールはグリコール酸、乳酸、サリチル酸を絶妙な割合で配合し、
リスクを最小限に抑えつつも、各々のメリットを最大限に見せつけるように作られています。
単剤のピーリング剤では成し得なかった高い複合効果と治療後のダウンタイムの少なさが特徴になります。
ミルクピールは、製品として完成されていますので、院内での自家調合されたピーリング剤のように、
作成方法や管理方法による品質のばらつきなどの心配が要りません。従来のケミカルピーリング治療に挫折した方でも、ミルクピールなら安心して受けることができます。
3つのピーリング剤の効果
グリコール酸:最もポピュラーなピーリング
肌の古い角質を溶かし、代謝を促進する効果を持っています。メラニンの生成を抑える働きもあり、さらに肌にハリや弾力をあたえるエラスチンやコラーゲンを増やして皮膚を丈夫にします。これらの作用により、肌のしみ·そばかす·くすみ·にきび·にきび跡·小じわ·はり·毛穴の開きなどを改善させていくので、大人にきびに悩む人に人気です。
乳酸:美白がメインのピーリング
乳酸はグリコール酸と比較すると、皮膚の深いところに作用します。肌への刺激や負担が軽く、炎症反応が穏やかなため、敏感肌の方や高年齢の方に向いています。
色素に高い効果を発揮し、色素沈着、肌の色むらを改善します。そのため角質の除去より、くすみ·シミ·老化防止などの目的で使われることが多い薬剤です。
グリコール酸のピーリングの後に乳酸のピーリングを行うダブルピーリングで、角質の除去と色素沈着の改善、2つの効果を得ることもできます。
サリチル酸マクロゴール:お肌の弱い方でも安心のピーリング
酸が角質層のみに反応するため角質層以外の細胞を傷つけず、安全性の高いケミカルピーリング治療ができるため、施術後皮膚が赤くなったり、皮がぽろぽろ剥けるといった肌のトラブルがほとんどありません。
グリコール酸、乳酸などのピーリング剤と比べて皮脂に近い性質を持っているため、皮脂が多く集まる毛穴などのトラブル(角栓やにきびなど)の治療に多く使われます。サリチル酸による美白効果、刺激が伝わることで真皮のコラーゲン産生を高める効果もあります。
ミルクピール後のアフターケア
ミルクピールにより、治療後は一時的にお肌のバリア機能が低下する状態となります。
外部からの刺激(紫外線、擦ることなど)に対して敏感になり、お肌の内側の水分も奪われやすく乾燥しやすい状態になります。
ですが実はこの状態は、美肌にとっての大きなチャンスでもあります。
普段その強力なバリア機能によって浸透しにくい美肌成分が、とても浸透しやすい状態になっているのです。
ピーリング治療後アフターケアの基本は、まず紫外線予防と十分な保湿、そして出来るだけお肌を強めに擦らないようにすることです。
さらに、お肌に栄養を与えてあげることです。
ミルクピールには、専用のアフターケア用基礎化粧品があります。
敏感になったお肌を守り、美肌のために必要な栄養分を与えます。
ミルクピールのポテンシャルを最大限発揮させるためには、治療と並行して使用することがとても大切です。
ミルクピールの詳細
・治療時間:顔全体で約10分前後
・治療回数:ピーリングは繰り返し治療をすることによって効果が出てきますので、2週間に1回のペース
・痛み:チクチク感や多少のかゆみを感じる場合があります。
・麻酔:麻酔なし
・シャワー/洗顔/入浴:治療当日から可能です。
・ダウンタイム:肌の状態によっては赤みや皮剥けが数日続く場合があります。
・メイク:治療当日から可能ですが、赤みやヒリヒリ感がある場合はなるべく肌に優しいものをお使いください。
・日焼け:治療前後特に強い日焼けは注意していただき、日焼け止めは毎日ご使用ください。
・その他:ピーリング後数日は乾燥しやすく日焼けしやすい状態になるので保湿と紫外線対策を行い摩擦などは避けましょう。
〜マッサージピール〜
マッサージピールはピーリング治療の1つでありますが従来のケミカルピーリングとは全く異なるこれまでにないピーリングになります。
従来のケミカルピーリングは、グリコール酸や乳酸などの薬剤で古くなった角質をピーリング(剥離)して、肌表面をなだらかにする治療でしたが、
マッサージピールには従来のケミカルピーリングのような剥離作用はなく、皮膚表面を剥離せずに真皮層まで浸透させ、コラーゲンを増加させます。
それにより、【コラーゲンピール】とも呼ばれています。
マッサージピールの使用する薬剤【PRX-T33】は、Hydrogen peroxide:過酸化水素、T33=TCA33%)
平たく言うとPRX-T33とは、33%TCAに低濃度過酸化水素を混合した特別な薬剤ということになるのです。
主成分としては、トリクロロス酸(TCA)・過酸化水素になります。
TCAというと、濃度によっては真皮深層まで浸透する比較的強いディープピーリング剤(かなり刺激が強いダメージの大きいピーリング剤)として有名です。
このような薬剤は、浸透の深さとそれに伴うカサブタや赤みなどのダウンタイムや色素沈着などのリスクがあるため、
日本では、あまり使用されていなかったのです。
しかし、PRX-T33はTCAと低濃度の過酸化水素を配合することにより浸透力はそのままに剥離作用を抑えることに成功し、
従来のピーリングでは改善の難しかった肌のたるみに効果を発揮するのです。
PRX-T33の一番のターゲットは、真皮層のコラーゲン増生です。
炎症を起こしたり、ダメージを与えるのとは違った方法で、線維芽細胞を刺激して新しいコラーゲンを作ります。
ダウンタイムやリスクを限りなく減らし、通常のケミカルピーリングでは成し得ない肌の奥深くのハリ感を生み出すのです。
加えて、コウジ酸も5%配合されているため治療を重ねるごとに強力美白作用を発揮し、顔や体の色素沈着にも効果があるのです。
お肌を優しくマッサージしながら薬剤を塗布していき、拭き取った直後から皮膚のなめらかさやハリ、弾力を感じられる即効性に加え、ダウンタイムの心配はほとんどないピーリングの概念を覆す画期的な新治療と言えるのです。
PRX-T33の主な成分
・33%トリクロロ酢酸
刺激の強いピーリング剤で真皮深層まで浸透し
コラーゲンの生成を促し、強力なハリ感をもたらす
皮膚バリア機能を変化させ、通常だと浸透しない過酸化水素を浸透させる
・低濃度過酸化水素(H2O2)
TCAの表皮にて強い腐食作用を抑制(ダウンタイムをなくす)
し、創傷治療を促進する、血行促進効果。
・コウジ酸
強い美白効果
マッサージピールの効果
小じわやたるみ(ハリ)・くすみ改善、肝斑(美白効果)に即効性があり、治療直後からハリを実感できることが多いです。
· ・ハリ改善効果
低濃度過酸化水素を配合し、TCAの皮膚表層への腐食作用お抑えながら真皮層まで浸透し、線維芽細胞を刺激してコラーゲンの
生成を強大に促進します。(コラーゲンピール)
加齢や紫外線により古くなった肌にハリと弾力を生み出します。33%と高濃度なTCAであるにも関わらず、
ピーリング作用は弱く、治療後のダウンタイムがないのが特徴になります。
最初、肌の奥の方が温かいような感覚が起き、サーマクールをした後のような感覚になります。
そしてその後、しっかりしたハリ感を実感できます。
・美白効果
コウジ酸のメラニン抑制作用+TCAの表皮ターンオーバー亢進作用=美白効果
PRX-T33には、強力な美白効果、コウジ酸が配合されています。コウジ酸には、シミを予防(メラニンを抑制)するだけでなく紫外線を浴びた後に発生する、活性酸素の抑制作用、
黄くずみの原因とされている肌の糖化抑制作用、そして炎症を抑える働きがあると言われています。
コウジ酸には、もともとピーリング治療に含む色素沈着のリスクを避ける為に配合されていますが、
実際に治療を続けられている患者様から、「肝斑が改善した」や「肌が白くなった」と言う声が上がってきています。
一般のシミ(老人性色素斑)への効果は限られていると思われましたが、全体的なくすみや肝斑、ニキビ跡の色素沈着などには
ある程度の効果が期待できると考えられています。
※TCAにより発生するPOMC(プロオピオメラノコルチン)やマッサージといった物理的刺激自体に
メラノサイト活性化作用があるので、これを抑制する為にコウジ酸が配合されているものと思われます。
マッサージピールは即効性のある治療です。 治療直後から、ハリ感や美白作用を感じることが出来ます。
ただし、この効果はマッサージピールの本来の効果ではなく、持続期間もそれほど長くはありません。(約数日~10日間)
TCAと過酸化水素が肌に浸透、即時に水が発生するために起こるものだと考えられます。
本来の効果(ハリと美白)は、治療回数を重ねていくうちに徐々に出てくるものです。
即効性を感じるということは、薬液が確実に肌に浸透して、反応した証であり、その後の本格的な効果の出現を示すものです。
~皮膚での成分共通作用~
過酸化水素がTCAのピーリング作用を抑制しつつ、相互作用でお肌が活性化
TCAと過酸化水素は異なるスピードで皮膚のバリアを超えて、異なる深さまで到達します。
過酸化水素の働きによりTCAのピーリング作用(水素イオン)が抑制されます。
過酸化水素はTCAの働きにより素早く表層のバリアを通過し、真皮乳頭層に至り、
TCAはゆっくりと浸透し、より深層まで到達し、相互作用で生物活性化反応を起こします。
また、過酸化水素によってブロックされず真皮に到達したTCAの水素イオンも、真皮の線維芽細胞を刺激し、コラーゲン生成を促します。
マッサージピールの詳細
・治療時間:顔全体で約10分~15分前後
・治療回数:ピーリングは繰り返し治療をすることによって効果が出てきますので、2週間に1回のペース
・痛み:チクチク感や多少のかゆみを感じる場合があります。
・麻酔:麻酔なし
・シャワー/洗顔/入浴:治療当日から可能です。
・ダウンタイム:肌の状態によっては赤みや皮剥けが数日続く場合があります。
・メイク:治療当日から可能ですが、赤みやヒリヒリ感がある場合はなるべく肌に優しいものをお使いください。
・日焼け:治療前後特に強い日焼けは注意していただき、日焼け止めは毎日ご使用ください。
・その他:ピーリング後数日は乾燥しやすく日焼けしやすい状態になるので保湿と紫外線対策を行い摩擦などは避けましょう。